トラン・アン・ユン監督。
「青いパパイヤの香り」の監督。 観たことないけど定評あるよね、この作品。 今年になって初めて「ノルウェイの森」原作を読んだことは 以前このブログに書いた。 で、やっと映画版も観た。 私、主演の松山ケンイチや菊地凛子が動く姿を初めて観た。 菊地凛子て舌ったらずな声なのね、びっくり。 「直子」が彼女という点に正直納得いかなかったんだけど、 彼女が泣くシーンには 狂気までも吹き込める演技を可能にしていて驚愕した。凄い女優さんだ。 水原希子ちゃん、やっぱりかわいい。でももっと演技を勉強しないとね。 「緑」へは私自身凄く共感しているし エキセントリックでぶっとんだ女性像を思い描いていた、 でも淡々とした女性でがっかりした。 棒読みで「ねぇワタナベ君、私が今一番何したがってるか、分かる?」 て言われても・・・ この映画では原作の名場面・名台詞・名エピソードが 全て省略されているのだ。 ワタナベの過ごす寮はあんなにスタイリッシュじゃなく もっと重苦しい牢獄に近い雰囲気のはず、 モテ男「永沢先輩」がなめくじを呑みこんだ話、 ルームメイトの「突撃隊」の朝6時に起床しラジオ体操をする話、 緑の料理上手な理由(+生乾きのブラジャー)、 緑のお父さんとワタナベのふれあい(キュウリを食べたり溲瓶におしっこ)、 ワタナベの読むブンガクについて、 ハツミさんとのビリヤード、 直子の姉の話、 レイコさんの顔のシワ・家族や病気の事・ ピアノの先生の頃の事件の話、 そして、レイコさんとワタナベの一番の名場面 「ワタナベくん、そこはシワよ」すら、カットされている。 私にとってこの作品、イメージVTRみたいな程度だ。 映像美は認めるけど、 言葉の威力は映画のスケールでは表現出来ないんだ。 映画はブンガクに敵わない部分は多い。 どうか、この映画を観る際は原作もセットで読んでほしい。
by lefthandedcoconut
| 2011-10-25 23:44
| sight
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