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恋人

1951年制作。モノクロ。
市川崑監督。

結婚式を明日に控えた京子(久慈あさみ)は
独身最後の夜を
幼なじみの誠一(池部良)と過ごそうと銀座に繰り出した。
喫茶店、映画館、スケート、ダンスホールと
デートを楽しむ二人だったが、心の底には互いへの想いが。


市川崑監督の代表作って
「ビルマの竪琴」「東京オリンピック」でしょうけれど、
私は「鍵」「黒い十人の女」「穴」辺りの
'60前後のジャパネスクイメージと
脚本の和田夏十(監督の奥様)の十八番、
マシンガントークな台詞まわしが好きだ。
で、それに通ずるかなと選んだこの作品は
'60を通り越しすぎて'50だった。


とにかく静寂で地味な作品だ。
自分の爺さん婆さんの若い頃の時代背景と考えれば
そりゃそうか。
とはいえ
時間軸の組み立てが市川節炸裂、
少し風変わりで
作品が終わる頃に
其れらが全て交わるという感じで
その辺りの落とし込みが、流石。

当時の銀座の景色が楽しめた。
現在も銀座のシンボル、和光ビルが既に健在だったとは。


それにしてもこの作品のタイトルが
「恋人」という点が気になる。
幼なじみの2人は
「恋人」だったのか否やという答えは
この作品の中には全く含まれていない。

2人にしか分からないことなんだろうな。
by lefthandedcoconut | 2011-01-08 23:03 | sight
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