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Barry Lyndon

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体調絶不調。
自宅で休養しながら
数日前から小分けしていた
キューブリック監督・1975年作品の
「Barry Lyndon」を漸く観終わった。
180分はあります、この作品。

さて、「バリーリンドン」。
18世紀ヨーロッパ貴族社会の風俗や世界観を鮮やかに再現、
日和見主義で英国貴族に成り上がっていく
アイルランド青年の栄華と没落の半生を描いた大河ロマン。

(「成り上がり」と聞くと、
どうしても矢沢永吉を思い出す。余談)

キューブリック作品はどうしてこんなに
果てしなく果てしなく美しいのか。
以下の拘りも要因のひとつだろう。
人工照明を全く使用せず、
自然光と、屋内ではロウソクだけの灯りで撮影。
しかも、カメラレンズはNASAが関係しているシロモノ。
戦争や決闘など当時の熱さや空しさまでも
美しさの中に閉じ込められていて、
どのようなシーンもまるで、額の中の絵画のようだ。
音楽はバロック中心で、完璧なるタイムトリップ。

バリーが義理の息子と乱闘するシーンがあるのだが、
20人位の男達がその乱闘を止めにかかる際、
身につけているベルベットのジャケットがバサバサと舞って、
その生地をひとつひとつ絶妙に違う色にした視覚表現が、
一番印象的だった。

それと、キューブリック作品は
上品な煽情モードが欠かさず付いてくる、
悪くない、寧ろ、好き。



夜は久しぶりに親友とご飯を食べながら、
あれこれお話をした。

2年前の夜に突然
東京タワーまでドライブしたことを思い出した。
あの夜からの行き場のない感情が
よい方向に転換したようで、安心した。
どうだろう?
私自身は、どうだろう?


18世紀 to 21世紀、フシギな1日。
by lefthandedcoconut | 2009-04-14 23:30 | sight
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